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オンプレミスとは?意味やクラウド環境との違い、サーバーを構築するメリットを解説

   

: #クラウド , オンプレミス , #クラウドストレージ

By blog Aug 31 2022

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2010年以降、企業のITインフラをクラウド化する流れが一気に加速しました。しかし、ここにきて「オンプレミス」に回帰する動きが出始めています。
 
2020年10月にIDC Japanが行った調査によると、オンプレミスへの移行実績がある企業は86.3%で、2年以内の移行予定がある企業も88.9%に上りました。
今回はクラウドと比較される「オンプレミス」とはそもそも何か、そのメリット・デメリット、および導入する際に注意すべき点についてご説明します。

 

目次

オンプレミスとは?
オンプレミスとクラウドの違い

オンプレミスを利用するメリット
オンプレミスを利用するデメリット
オンプレミスとクラウドを導入する際のポイント
オンプレミスをクラウドに移行する際の注意点
使えるファイル箱なら、コストを抑えてデータの共有が可能

 

オンプレミスとは?

 

オンプレミスサーバー



オンプレミス(on-premises)とは、サーバやデータベース、ソフトウェアなどの情報システムを自社の施設内に導入、設置し、運用することです。現在、多くの企業が導入しているクラウドベースのシステム構築の対極にあるといえます。

 
現在のようにSaaS(Software as a Service)が多くの企業で利用される前は、オンプレミスこそが社内システムを構築するための方法でした。多くの場合、ハードウェアベンダーにサーバなどの機器を設置してもらい、SIer(エスアイヤー)と呼ばれるシステム開発会社に自社のニーズに合わせて業務システムや基幹システムの設計開発、サーバやデータベースの構築などをしてもらいます。また、導入後のシステム保守管理もそのまま外部業者に委託したり、自社の専門部署で行ったりしていたのです。

 

オンプレミスとクラウドの違い

 

PCとデータセンターの接続図



オンプレミスに対してクラウドでは、業務で利用するサービスやソフトウェア、データベースなどは自社内に格納せずに、インターネットを経由して利用します。
 
オンプレミスとクラウドの違いは具体的に以下のような点に表れます。
 

導入費用

システムの構築をオンプレミス、クラウドで行う場合、それぞれ以下のような初期コストがかかります。
 


オンプレミスでシステムを構築する場合、まずはハードウェアを準備し、基本的なソフトウェアなどを導入します。企業の業務形態によってはさらにカスタマイズをしたり、拡張機能を追加したりする必要があり、別途開発費がかかります。また、操作方法に精通するための教育費用も追加することになるでしょう。さらにライセンス価格も事業所ごと、ユーザーごとに必要になります。具体的にどのくらいの費用になるかは企業規模や従業員数にもよりますが、オンプレミスの場合、初期費用が1,000万円を超えるのは珍しいことではありません。

それに対して、クラウドの場合は自社にサーバなどのハードウェアを設置する必要はありませんし、すでに製品化されたソフトウェアを使用するため基本的には開発コストもかかりません(最近ではカスタマイズできるクラウドサービスも増えています)。ライセンス価格(サービス使用料)が主なコストであり、導入後もランニングコストとして継続的に支払う必要があります。
 

導入までの時間 

オンプレミスの場合、導入の際にサーバなどのハードウェアを選定することから始めなければなりません。そのため、ハードウェアの調達に少なくても1カ月かかりますし、ソフトウェアの開発やカスタマイズにはさらに数カ月という長い時間が必要です。導入の際の設定やテストにも手間とコストがかかります。

それに対して、クラウドの場合、申込からサーバの立ち上げまで基本的にはすべてインターネット経由で行うため、大きなトラブルがなければ数分から数時間で完了します。 
 

操作性 

「オンプレミスだから操作が複雑」、「クラウドだから簡単」と一律にはいえません。操作性は主に製品によって大きく異なります。そのため、オンプレミス、クラウド関わりなく、導入の際にはある程度の研修が必要になるでしょう。
 
ただ、オンプレミスは自社に合わせてカスタマイズできることから操作しやすいと考えがちですが、その逆になることもあります。つまり、細かなカスタマイズを行うことでかえって操作が複雑になる可能性があることも覚えておきましょう。
 

他システムとの連動性 

オンプレミスは自社のニーズに合わせて自由にカスタマイズできるのが強みです。そのため、すでに自社に導入している既存のシステムと連動させやすいでしょう。
 
クラウドの場合、さまざまな企業のニーズに基づいて設計されているため、すでに導入している自社システムとの連動が難しい場合も考えられます。そのため、システムを統合するには「IaaS(Ingrastructure as a Service)」や「PaaS(Platform as a Service)」の導入も検討しなければなりません。

IaaSとはサーバやストレージ、ネットワークなどハードウェア環境やインフラまでを提供するためのサービスであり、PaaSとはプラットフォームや開発環境まで提供するサービスです。
 

セキュリティ 

オンプレミスは自社独自のセキュリティ対策を講じやすく、サーバの設置場所やセキュリティ対策ソフトの導入、不正アクセスの監視など、かなり自由にカスタマイズできます。
 
それに対して、クラウドはオンライン上のサービスのため、オンプレミスに比べてセキュリティリスクが高いといわれることがあります。ただ、クラウドを利用する場合でも事業者によってセキュリティレベルは大きく異なるため、一律に「クラウド=セキュリティが弱い」、「オンプレミス=セキュリティに強い」とはいえません。クラウドでシステムを構築する場合は、自社のセキュリティポリシーにかなうサービスを選ぶことが大切です。
 
また、導入後のセキュリティ管理を誰が行うかもオンプレミスとクラウドでは異なります。オンプレミスは基本的に自社のセキュリティ部門が担当するか、外部業者に委託するかのどちらかです。
クラウドの場合はクラウドサービスの提供事業者に委ねるため、自社で専門人材を準備する必要はなく、コスト削減につながります。それだけに、繰り返しになりますが、どの事業者を選ぶかは非常に重要な選択です。
 

オンプレミスとクラウドの比較まとめ 

以上のオンプレミスとクラウドの比較を表にまとめてみましょう。
 


 

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オンプレミスを利用するメリット


システムの利用にかかわるセキュリティ施策
 

以上の比較からオンプレミスにもクラウドにも一長一短があることが分かります。ただ、冒頭で取り上げたように近年多くの企業で「オンプレミス回帰」の動きがあるのは、オンプレミスを利用するメリットが大きいからにほかなりません。
 
以下ではそのうちの3つを取り上げます。
 

カスタマイズ性に優れている 

オンプレミスの最大の特徴は、自社でハードウェアもシステムもカスタマイズできる自由度の高さです。
 
クラウドの中にも柔軟な開発やカスタマイズが可能になるサービスが増えてきているとはいえ、拡張性の高さを考えるとオンプレミスに軍配が上がります。給与計算や労務管理、顧客管理、ストレージサービスといったどの企業にも共通するサービスでは細かなカスタマイズは必要ありませんが、中には業務の独自性が高く、パッケージ化されたサービスでは対応できない企業もあります。その場合は必然的にコストがかかるとしてもオンプレミスを選択することになります。
 

安全なセキュリティ構築ができる 

オンプレミスは社内に設置しているローカル環境でシステム構築をしていることから、外部からのサイバー攻撃に対して比較的安全なセキュリティが構築できます。
 
ただ、上述したように「オンプレミス=セキュリティ強い」、「クラウド=セキュリティ弱い」という単純な図式では説明できない部分もあります。
 
例えば、2021年1月29日に内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)は「Salesforceの製品の設定不備による意図しない情報が外部から参照される可能性について」という異例の注意喚起を出しました。「Salesforce」はクラウド型のCRM(顧客管理)ツールですが、このサービスを利用する楽天やPayPay社をはじめ、多くの企業が「設定不備」によって個人情報流出が起きたのです。この事故はSaleforceがクラウドサービスだったゆえに脆弱性を攻撃されたというより、担当者の「設定不備」というヒューマンエラーに起因するものでした。
 
また、調査会社のガートナーは2019年、「2025年にかけて、クラウド上のセキュリティ事故の99%は利用者自身の設定ミスによるものとなる」と警告していましたが、まさにその通りのことが起きています。
 
このことはオンプレミスであっても、クラウドであっても注意深い運用があってはじめて安全なセキュリティが構築できることを示しています。
 

他のシステムと連動しやすい 

オンプレミスはカスタマイズ性に優れていることから、自由度が高く、他のシステムとも連動させやすいといえます。ただ、その分のコストはかかることに注意が必要です。

 

オンプレミスを利用するデメリット

 

クラウドデータセンター

 

初期費用が高い 

上述したように、クラウドに比べ、オンプレミスに初期費用がかかることは間違いありません。ただコストは初期費用だけをみるのではなく、長期的な視野に立って考えることが大切です。
 
クラウドサービスの場合、初期費用はあまりかからないものの、月々のライセンス料(サービス利用料)がかかります。どのようなサービスを利用するかにもよりますが、毎月の支払いによって数年後にはオンプレミスの初期費用に追いついてしまうことも考えられます。
 
さらに、クラウドには多種多様な追加サービスがあります。例えば、ローカルで保管していたデータをクラウドストレージサービスに移行する場合、データが増えれば増えるほどストレージ容量を追加しなくてはならず、それに伴って費用がかかることになります。業務遂行に必要なサービスを追加していたら、いつの間にか費用がかさみ請求書を見てびっくりする、ということもあるようです。
 

導入までに時間がかかる

ハードウェアもソフトウェアの開発も必要としないクラウドに比べ、導入までに時間がかかるのはオンプレミスの大きなデメリットです。ビジネスにおいては、スピードが欠かせません。オンプレミスにしろ、クラウドにしろ、システムそのものが大事なのではなく、システムを使って生産性を高め、業績向上につなげることが企業の最優先課題です。
 

運用に専門の知識やリテラシーが必要になる

オンプレミスの運用は自社で行わなければなりませんが、専門知識を有する担当者を確保しなければなりません。
 
その点、クラウドであれば、運用は専門知識を持つ提供事業者に任せ、より多くの人材を本業に振り向けられます。もっとも、上述したように最低限の設定の仕方やセキュリティに関するリテラシーは自社のすべての従業員が押さえておくべきでしょう。

 

オンプレミスとクラウドを導入する際のポイント

オフィス内の作業スペースとデータルーム

 

セキュリティ重視ならオンプレミス

クラウドの場合、慎重に事業者ごとのセキュリティレベルを検証したとしても、最終的には自分たちの側が相手のセキュリティポリシーに合わせるしかありません。この点、オンプレミスなら、自社の独自のセキュリティポリシーに基づき、コストをかけさえすれば、いくらでも厳格なセキュリティシステムを構築可能です。
オンプレミスは外部ネットワークから遮断されているため、機密度の高い個人情報を保管すれば、情報流出のリスクは最小限に抑えられます。それに対して、クラウドはインターネットをつないだ状態でしか利用できないため、常時不正アクセスやサイバー攻撃のリスクにさらされています。
とりわけ高いセキュリティを保つことが求められる金融機関や医療機関などはオンプレミスが適しているといえるでしょう。
 

コスト重視ならクラウド

ここでいう「コスト」は費用だけではありません。上述したようにオンプレミスは初期費用がかかるものの、長期的にみればクラウド利用の場合もそれ相応の費用がかかるため、どちらが「安い」とは言い切れません。
 
しかし、「コスト」には「人材」や「時間」も含まれます。オンプレミスの導入はもちろんのこと、運用やセキュリティ対策にも専門的な知識をもつ人材を継続的に確保しなければならず、それが難しい中小企業の場合は外部に委託することになります。
 
その点、クラウドは運用は完全に事業者に任せられるため、自社で選任のスタッフを持つ必要はありません。特に中小企業の場合は人材も限られているため、多方面でコストを削減できるクラウドの活用はメリットが大きいのです。

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オンプレミスをクラウドに移行する際の注意点


クラウドストレージ


オンプレミスとクラウドのどちらが最適なのかは各企業の状況によります。完全にクラウドに移行せずに、機能によってオンプレミスとクラウドを使い分ける「ハイブリッド型」を選ぶ企業も増えています。
 
客観的に自社の現状を分析し、オンプレミスからクラウドに移行することを検討しているなら、以下の3つの注意点を覚えておきましょう。
 

データのバックアップをとっておく

オンプレミスのシステムが比較的シンプルなものであっても、移行する際には事前の準備やテストが欠かせません。しかし、予想外のトラブルが発生し、データの移行がスムーズにいかない場合もあります。データ消失のリスクを回避するために、データのバックアップは必ずとっておきましょう。
 

自社システムと連携できない可能性がある 

既存システムとクラウドの連携がうまくいかないケースも考えられます。そうした事態を避けるためには現在の自社システムの要件洗い出しを行い、段階的に移行を行う必要があります。
 

カスタマイズ性に優れていないサービスがある

クラウドサービスもカスタマイズできるものが増えていますが、上述したようにオンプレミスの自由度にはかないません。そのため、クラウドに移行する際はオンプレミスと同じレベルの機能や操作性を求めるのではなく、自社にとって必要なものは何か取捨選択が必要でしょう。

 

使えるファイル箱なら、コストを抑えてデータの共有が可能

 

標準

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