バックアップを取っているのに、いざというときに復元できなかった——そんな事態が実際に起きています。警察庁の調査では、ランサムウェア被害を受けた企業のうちバックアップを取得していても75%が復元できなかったことが明らかになっています。
バックアップで本当に大切なのは「取ること」ではなく「使える状態で戻せること」です。本記事では、リストアを前提にした「良いバックアップ」を取るための知識と実践を解説します。
この記事の要点
- ▶バックアップ取得済みでも75%が復元不可 ─ 「バックアップのためのバックアップ」は意味がない
- ▶フル・差分・増分の違いを理解し、復旧速度とのトレードオフで選ぶことが重要
- ▶リストアとリカバリは別物 ─ 「データを戻す」だけでなく「業務を再開できる状態に戻す」設計が必要
リストアとは?
リストア(Restore)とは、バックアップしたデータをもとに状態を復元・復旧することです。パソコンやサーバで障害が起きた際に、バックアップデータに基づいて元の状態に戻す一連の作業を指します。
リストアの手間と時間はバックアップの種類によって大きく変わります。そのためリストアを理解するには、まずバックアップの種類を知ることが重要です。クラウドバックアップの基礎知識はこちら>>
バックアップからデータを復元する方法
バックアップには「フルバックアップ」「差分バックアップ」「増分バックアップ」の3種類があり、それぞれ復元の手間と速度が異なります。
フルバックアップ
バックアップ対象のデータをすべて保存します。毎回すべてを複製するためバックアップ時間・容量は多く必要ですが、すべてのデータがまとまっているためリストアは最もシンプルです。
差分バックアップ
初回のフルバックアップ後、変更・追加されたデータを累積で複製します。フルバックアップより時間を短縮でき、リストア時は初回分と差分の2つのデータだけで完結します。
増分バックアップ
毎回「前回から変更された部分のみ」をバックアップします。3種類の中でバックアップ時間・容量が最小です。ただしリストア時は複数のデータブロックを結合する必要があるため手間がかかります。
復元方法はシンプルであるほど良いといえます。万が一の際にスピーディにデータを復元できれば、事業継続がスムーズに行えるからです。使えるデータプロテクトの場合、管理画面から「復元」をクリックするだけで完了します。また採用しているイメージバックアップ方式では、OSやアプリを含むシステム全体を一気にバックアップするため高速復元が可能です。イメージバックアップの詳細はこちら>>
クラウドバックアップは利用すべき?重視したい機能も解説
従来はハードディスクや社内サーバへのローカルバックアップが主流でしたが、近年はクラウドバックアップが広まっています。総務省の情報通信白書(令和5年版)によると、クラウドサービスを利用している企業のうちデータバックアップとして活用していたのは42.0%です。
クラウドバックアップを選ぶ際に確認すべきメリット・デメリットを整理します。
クラウドバックアップのメリット
① コストを抑えられる
社内サーバの設置・構築費用や専任スタッフの人件費が不要です。必要な容量だけ月額で利用でき、データ量の増加に合わせてプランを変更できます。
② ランサムウェア対策になる
クラウドバックアップは社内ネットワークとは物理的に異なる場所にデータを保管します。ランサムウェアが社内ネットワーク上のサーバを暗号化しても、クラウド上のバックアップデータには影響が及びにくい設計です。2024年6月に発生したKADOKAWAへのランサムウェア攻撃のように、大企業でも被害を受けるリスクがある中、中小企業にとってもオフサイト保管は必須の対策です。ランサムウェア対策の詳細はこちら>>
③ BCP対策になる
オフィスが被災しても遠隔地のクラウドにデータがあれば、リモート環境からリストアして事業を継続できます。BCPとクラウドバックアップの関係はこちら>>
クラウドバックアップのデメリット
① インターネット環境が必須
オフライン環境ではバックアップが実行されません。回線速度が遅いとバックアップ・復元に時間がかかります。バックアップが遅い場合の対処法はこちら>>
② セキュリティは事業者依存
データを外部事業者に預けるため、事業者の暗号化方式・認証取得・国内DCの有無を選定時に確認することが重要です。サービス比較・選び方はこちら>>
リストアを重視するなら「パッチ管理」機能も確認
クラウドバックアップを選ぶ際には「パッチ管理」機能の有無も重要な確認ポイントです。パッチとはバグや脆弱性を修正するためのファイルで、パッチを未適用のまま放置するとセキュリティホールとなり、攻撃の起点になりかねません。バックアップデータを最新かつ安全な状態で保持するためにも、パッチ管理機能を備えたサービスを選ぶことをおすすめします。
リストアとリカバリの違い
「リストア」と混同されやすい言葉に「リカバリ」があります。この違いを理解することが「良いバックアップ」設計の鍵です。
つまりリストアはリカバリの一部です。データをバックアップから取り出す(リストア)だけでは業務を再開できるとは限らず、アプリケーションの再インストールや設定の復元まで行ってはじめてリカバリが完了します。
この観点から優れているのがインスタントリカバリです。バックアップ領域から直接仮想マシンを起動できるため、通常のリカバリより大幅に短時間で業務を再開できます。BCP対策として特に有効な方式です。
バックアップの重要性
📊 2024年 ランサムウェア被害の実態(警察庁 令和6年調査)
▶ 年間被害件数:222件(高水準で推移)
▶ バックアップ取得済みでも復元不可:75%(主因:バックアップも一緒に暗号化された)
▶ IPA「情報セキュリティ10大脅威2026年版」組織部門1位:ランサムウェアによる被害
最も深刻なのは「バックアップを取得していても75%が復元できなかった」という現実です。バックアップさえしていれば安心という時代は終わっています。
復元できなかった主な原因は「バックアップデータも同一ネットワーク上にあり、一緒に暗号化された」ことです。この事態を防ぐには、バックアップを本番環境と切り離された場所に保管する3-2-1ルールの実践が不可欠です。
こうした観点から、「バックアップのためのバックアップ」ではなく「リストアのためのバックアップ」という意識を持つことが重要です。定期的なバックアップと並行して、バックアップテスト(リストア訓練)を行い、いざというときに確実に復旧できる体制を整えましょう。
リストアを前提に選ぶなら「使えるデータプロテクト」
リストアを重視した「良いバックアップ」を実現するには、使えるねっとが提供する使えるデータプロテクトがおすすめです。
最大の特徴はAIベースのランサムウェア対策「アクティブプロテクション」。バックアップデータ・ソフトへの疑わしい改変をリアルタイム検知・遮断し、クリーンな状態でのリストアを可能にします。AcronisのVB100認定テストではマルウェア検知率100%・誤検知0%を達成しています。
またイメージバックアップ採用により、OS・アプリ・設定を含むシステム全体をまるごと高速復元できます。管理者のアカウントから社内の複数デバイスを一元管理でき、遠隔からの復旧対応も可能です。
さらにBCP対策ディザスタリカバリオプションを利用すれば、災害発生時にバックアップイメージからクラウドの仮想マシンにワンクリックで切り替えられ、オフィスが機能しない状況でも業務継続できます。
使えるデータプロテクト 主なプラン
📋 データ復元・基本プラン:月額 2,400円〜
📋 ランサムウェア対策プラン(推奨):月額 3,320円〜
📋 業務停止ゼロ・丸ごと管理プラン:月額 10,700円〜
初期費用なし・30日間無料トライアルあり
FAQ
バックアップでいうリストアとは何ですか?
リストアとは、バックアップデータを元の場所に戻すことです。ただし、リストアだけでは業務を再開できるとは限りません。アプリケーションの再インストールや設定の復元まで行って、初めてリカバリ(システムの正常稼働状態への復旧)が完了します。バックアップは常に「リストアして使える状態に戻すこと」を前提に設計することが大切です。
リカバリとリストアの使い分けは?
リストアは「データを取り出す」作業、リカバリは「システムを正常に動かせる状態に戻す」一連のプロセスです。リストアはリカバリの一部です。イメージバックアップ方式を採用しているサービスでは、OS・アプリも含めてまるごと復元できるため、リカバリ完了までの時間を大幅に短縮できます。
正しいリストアを行うメリットは何ですか?
万が一の際にスピーディーに業務を再開できることが最大のメリットです。逆にリストアできないバックアップは、警察庁の調査が示す通り75%という高い確率で「使えないバックアップ」になります。定期的なバックアップテストを行い、実際にリストアできることを確認しておくことが重要です。
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