クラウドストレージ

【2026年版】法人向けクラウドストレージ比較|国内サービスを中心に選び方とおすすめを解説

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Aug 07 2026

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ファイルサーバーの老朽化やテレワーク環境の整備を進める中で、クラウドストレージへの移行を検討している中小企業は少なくありません。しかし、市場には国内外のさまざまなサービスが存在し、「どのサービスを選べばいいのかわからない」という声もよく聞かれます。

特に国産クラウドストレージは、データ主権の確保や日本語サポートの充実といった観点から注目を集めています。一方で、料金体系や機能面での違いが分かりにくく、自社に最適なサービスを選定するのは容易ではありません。

本記事では、法人向けクラウドストレージの選び方を整理したうえで、中小企業での導入実績が豊富な国産3サービス(使えるファイル箱、Fileforce、DirectCloud)を料金体系・機能・データセンター環境の観点から徹底比較します。あわせて、海外大手のBox・Dropboxとの違い(課金体系・為替リスク・データ保管先)も解説し、中小企業のIT意思決定者が自社のニーズに最適なサービスを選定できるよう、具体的な選定基準と判断材料を提供します。

クラウドストレージについて詳しく知りたい方はこちら>>

この記事の要点|法人向けクラウドストレージ比較まとめ

国産の主要3サービスに海外大手2サービス(Box・Dropbox)を加えた計5サービスを、料金・課金体系・特徴で比較しました。自社のニーズに合わせて選べるよう、各サービスの特徴を簡潔にまとめています。

サービス名月額料金(税抜)特徴おすすめの企業
使えるファイル箱1TB: 27,400円〜(年契約23,200円〜)圧倒的コスパ、国内自社DC、999世代管理コスト重視、データ主権重視の中小企業
FileforceSmall Business: 9,900円〜(10ID)/ Unlimited-1: 60,000円〜高機能DX、ランサムウェア対策、電帳法対応(オプション)高度な機能が必要な企業
DirectCloudスタンダード: 44,000円〜(500GB)250種類以上のログ監視、生成AI連携セキュリティ・ログ管理重視の企業
BoxBusiness: $15/ユーザー・月〜(年払・最低3ユーザー)容量無制限、1,500以上のアプリ統合、Box AI海外拠点連携・外部アプリ連携重視の企業
DropboxStandard: $15/ユーザー・月〜(年払・チームで3TB〜)同期性能、大容量ファイル転送(最大100GB)個人利用からの拡張・クリエイティブ用途

※国産サービスの料金は税抜表示。Box・Dropboxは公式サイトがドル建て表記のため、実際の支払額は為替レートにより変動します。本記事の情報は2026年8月時点で各社公式サイトを確認したものです。最新情報は各サービスの公式サイトをご確認ください。

コストパフォーマンス重視なら使えるファイル箱が1TB月額27,400円(年契約なら23,200円)でユーザー数無制限、国内自社データセンター運用で最もコストを抑えられます。

高機能・DX推進重視なら、FileforceやDirectCloudがAI活用、電子帳簿保存法対応、ワークフロー機能など、業務効率化に直結する機能を提供しています。

クラウドストレージ選定の前に|まず3つの分岐で候補を絞る

個別のサービス比較に入る前に、前提となる3つの分岐を整理しておくと、候補を大きく絞り込めます。

分岐1: 社内サーバ(ファイルサーバー・NAS)か、クラウドストレージか

自社運用のファイルサーバーは自由度が高い一方、ハードウェアの調達・保守・更改コスト、障害・災害時のデータ消失リスク、テレワーク対応の難しさが課題になります。クラウドストレージなら初期費用を抑えて導入でき、運用・保守はサービス事業者側が担うため、専任のIT担当者を置きにくい中小企業ほど恩恵が大きくなります。

分岐2: 法人向けサービスか、個人向けサービスか

個人向けプランは安価ですが、管理者機能(ユーザー・権限の一元管理)、操作ログ、契約・請求の一本化といった組織利用の前提となる機能がありません。業務データを扱う以上、少人数でも法人向けプランを選ぶのが原則です。

分岐3: 無料プランか、有料プランか

無料プランは容量が小さく(2〜15GB程度)、サポートやセキュリティ機能も限定的です。お試し用途を除き、業務利用では有料の法人向けプランを前提に検討してください。取引先とのファイル共有に無料サービスを使うことは、情報管理の観点から取引先の心証にも関わります。

国産クラウドストレージとは

国産クラウドストレージを選ぶ前に、まず「国産」という言葉が何を意味するのかを明確にしておく必要があります。一口に国産といっても、開発拠点、データセンターの所在地、運営企業の国籍など、複数の要素が絡むため、サービスによって「国産」の定義が異なる場合があります。

国産クラウドストレージの定義

国産クラウドストレージと呼ばれるサービスには、主に以下の3つの基準があります。

  1. 開発拠点が日本にあるかどうか。日本国内で開発されたサービスであれば、日本企業のニーズや日本の法律を考慮した設計がなされている可能性が高くなります。
  2. データセンターが国内にあるかどうか。物理的にデータが日本国内に保管されることで、外国法の域外適用リスクを回避できます。これはデータ主権の観点から最も重要な要素といえます。
  3. 運営会社が日本法人かどうか。日本法人が運営していれば、日本の法律に基づいたサービス提供が行われ、トラブル時にも日本の裁判管轄権が適用されます。

「国産」と呼ばれるサービスは、これら3つの要素すべてを満たしています。一方で、日本企業が運営していても、インフラ基盤にAWSなどの海外クラウドプラットフォームを利用しているサービスもあります。

どちらが良い・悪いということではなく、自社の要件に応じて選択することが重要です。高度なデータ主権が求められる場合は自社運営データセンターを持つサービスを、グローバルな信頼性やスケーラビリティを重視する場合はAWSなどを活用したサービスを選ぶという判断もあります。

 

海外製クラウドストレージとの違い

国産クラウドストレージと海外製クラウドストレージの最も大きな違いは、データ主権にあります。

データ主権とは、データがどの国の法律に基づいて管理されるかという概念です。海外製クラウドストレージの場合、たとえ日本国内のデータセンターを利用していても、米国クラウド法(CLOUD Act; Clarifying Lawful Overseas Use of Data Act)などの外国法により、外国政府がデータの開示を要求できる可能性があります。国産クラウドストレージでデータを国内に保管すれば、このようなリスクを回避できます。

ただし、国産サービスであっても、インフラ基盤にAWSなどの米国企業のクラウドプラットフォームを利用している場合、CLOUD Actの潜在的な影響範囲に入る可能性がある点は留意が必要です。この点については、各サービスの比較セクションで詳しく解説します。

次に、日本の法令への準拠のしやすさが挙げられます。電子帳簿保存法、個人情報保護法、医療情報システムの安全管理ガイドラインなど、日本特有の法令や規制に対応する場合、国産サービスの方がスムーズに対応できる傾向があります。

日本語サポート体制も重要な違いです。海外製サービスでは、日本語対応が限定的であったり、時差の関係で即座に回答が得られなかったりする場合があります。国産サービスでは、日本時間の営業時間内に日本語で問い合わせができ、緊急時にも迅速な対応が期待できます。IT専任者がいない中小企業にとって、このサポート体制の差は大きな意味を持ちます。

法人向けクラウドストレージの選び方|4つの重要な比較ポイント

国産クラウドストレージを選定する際は、以下の4つのポイントを軸に比較することが重要です。表面的なスペック比較だけでなく、自社の業務実態に照らし合わせて検討してください。

1料金体系の違いを理解する

国産クラウドストレージの料金体系は、大きく「容量課金型」と「ユーザー課金型」の2つに分かれます。

容量課金型は、ストレージ容量に応じて月額料金が決まる方式です。ユーザー数に制限がないため、従業員数が多い企業や、今後人員の増加が見込まれる企業にとっては、予算の見通しが立てやすいメリットがあります。使えるファイル箱やDirectCloudがこの方式を採用しています。

ユーザー課金型は、利用するユーザー数に応じて月額料金が決まる方式です。少人数での利用であればコストを抑えられますが、ユーザー数が増えるにつれて月額料金が上がっていく点に注意が必要です。FileforceのSmall Businessプラン、DirectCloudのTeam Businessプラン、そして海外大手のBox・Dropboxがこの方式です。全社員で使う前提なら、人数が増えるほど容量課金型が有利になります。

2データセンター環境とデータ主権

データの物理的な保管場所は、コンプライアンスやセキュリティの観点から非常に重要です。

国産クラウドストレージの中でも、インフラ基盤の構成はサービスによって異なります。自社運営のデータセンターを持つサービスもあれば、AWS(Amazon Web Services)などのパブリッククラウド上で運用されているサービスもあります。

自社運営データセンターの場合、データの保管場所と管理主体が完全に日本国内で完結するため、データ主権の観点で最も安心です。一方、AWSなどのパブリッククラウドを利用する場合、高い可用性と冗長性が得られますが、インフラ提供元が米国企業であるため、CLOUD Actなどの外国法の影響を受ける可能性があります。

データ主権を最重要視する場合は、インフラ基盤の構成まで確認したうえで判断するのが望ましいでしょう。

3セキュリティ機能の充実度

クラウドストレージのセキュリティ機能は、情報漏洩リスクの低減に直結します。以下の機能が備わっているかを確認しましょう。

通信の暗号化(SSL/TLS)は、すべてのサービスで標準提供されています。これに加えて、二段階認証(2FA)、IPアドレス制限、デバイス認証、詳細なアクセス権限設定が備わっているかを確認します。

特にランサムウェア対策として重要なのが、バージョン管理(世代管理)機能です。ランサムウェアに感染してファイルが暗号化されても、過去のバージョンから復元できれば、業務への影響を最小限に抑えることができます。世代管理の保存数が多いほど、より安全です。

操作ログの記録も重要な機能です。「誰が」「いつ」「どのファイルに」「何をしたか」を記録することで、内部統制やセキュリティ監査に対応できます。

4サポート体制と導入支援

クラウドストレージの導入は、単にサービスを契約するだけでは完了しません。既存のファイルサーバーやNASからのデータ移行、社内のアクセス権限設計、従業員への利用方法の教育など、多くの作業が発生します。

サポート体制を評価する際は、問い合わせ手段(電話・メール・チャット)、対応時間、日本語対応の質に加えて、導入支援サービスの有無も確認しましょう。データ移行支援や設定代行サービスを提供しているベンダーもあり、IT担当者が少ない中小企業にとっては大きな助けになります。

 

主要国産クラウドストレージ3サービスの特徴比較

ここからは、中小企業での導入に適した3つの国産クラウドストレージサービスについて、詳しく比較していきます。コストパフォーマンスに優れたサービスから、高度なDX機能を備えたサービスまで、それぞれの特徴を料金・機能・データ保管環境の観点から解説します。

使えるファイル箱|圧倒的コストパフォーマンスと国内自社データセンター

使えるファイル箱は、使えるねっと株式会社が提供する、コストパフォーマンスと国内自社データセンター運用を強みとする国産クラウドストレージです。

料金体系は、ユーザー数無制限の容量課金型です。スタンダードプランは1TBで月額27,400円(税抜)、1年契約なら月額23,200円(税抜)と、主要国産サービスの中でも特に低価格な設定となっています。アドバンスプランは3TBで月額82,600円(税抜)、1年契約なら月額66,000円(税抜)です。初期費用は無料で、30日間の無料トライアルも利用できます。

プラン容量月払い(税抜)年契約・月額(税抜)
スタンダード1TB27,400円23,200円
アドバンス3TB82,600円66,000円

※ユーザー数無制限

使えるファイル箱の最大の特徴は、自社運営の国内データセンターでデータを保管していることです。AWSやAzureなどのパブリッククラウドを利用せず、物理的なサーバーを自社で管理しているため、「データがどこにあるか」が明確です。データ主権を重視する企業や、コンプライアンス上の理由でパブリッククラウドを利用できない企業にとって、大きなメリットとなります。米国CLOUD Actなどの外国法の影響を受けないことも、安心材料のひとつです。

機能面では、シンプルで使いやすいことを重視しています。Windowsエクスプローラーと同じ操作感でファイルを管理でき、特別なトレーニングなしで使い始められます。バージョン管理は999世代まで対応しており、ランサムウェア攻撃を受けても過去の状態に復元できます。

セキュリティ機能も充実しており、通信暗号化、二段階認証、IPアドレス制限、詳細なアクセス権限設定が標準で提供されています。アドバンスプランでは、共有リンクの有効期限設定や、ダウンロード回数制限といった、より高度なセキュリティ機能が利用できます。

✓ メリット

  • ユーザー数無制限で予算管理しやすい
  • 999世代管理でランサムウェア対策に強い
  • 国産サービス中、1GBあたり単価が最安水準
  • 自社運営データセンターでデータ主権を確保
  • 1年契約でさらにお得

△ 考慮すべき点

  • 大容量プラン(10TB以上)の選択肢は限定的
  • エンタープライズ向けワークフロー機能はなし

Fileforce|高機能・DX推進型のフラッグシップモデル

Fileforce(ファイルフォース)は、ファイルフォース株式会社が提供する、多機能性と高いセキュリティを兼ね備えた国産クラウドストレージです。OEMパートナーを含め23,000社以上の導入実績があります。

料金体系は、ユーザー単位のSmall Businessプランと、ユーザー数無制限のUnlimitedプランの2つの方式を用意しています。

プラン容量月額料金(税抜)備考
Small Business100GB/10ID9,900円/10ID(990円/ID、最低10ID〜)ユーザー単位課金
Unlimited-11TB60,000円ユーザー数無制限
Unlimited-33TB108,000円ユーザー数無制限
Unlimited-1010TB216,000円ユーザー数無制限

Fileforceの強みは、ファイルサーバーライクな操作性と、DX推進に役立つ高度な機能群です。Windowsエクスプローラーからクラウドへ直接アクセスできるFileforce Driveにより、既存のファイルサーバーと同じ感覚で利用を開始できます。

特筆すべき機能として、ランサムウェアの振る舞い検知による遮断機能が標準搭載されています。また、TaskFlowという承認ワークフロー機能により、ファイルの承認・回覧プロセスをデジタル化できます。電子帳簿保存法への対応もFileforceの特徴のひとつで、AI-OCRを活用した自動読み取り機能などをオプションで提供しています。

インフラ基盤にはAWSを利用しています。AWSの高い可用性と冗長性を活かしたサービス提供が行われていますが、AWSは米国企業であるため、理論上はCLOUD Actの対象となる可能性があります。データ主権を最重視する企業は、この点を考慮したうえで判断してください。

✓ メリット

  • ファイルサーバーライクな操作性で移行が容易
  • ランサムウェア振る舞い検知が標準搭載
  • 電子帳簿保存法対応機能あり
  • 23,000社以上の導入実績

△ 考慮すべき点

  • 料金は他の国産サービスより高め
  • 小規模企業には機能が過剰な場合がある
  • AWSベースのためCLOUD Actの潜在的影響あり

DirectCloud|セキュリティとログ管理の充実した高機能モデル

DirectCloud(ダイレクトクラウド)は、株式会社ダイレクトクラウドが提供する、高度なセキュリティ機能とログ管理を特徴とする国産クラウドストレージです。2,900社以上に導入されています。

料金体系は容量課金型で、ユーザー数は無制限です。2026年1月1日に料金改定が行われ、現行料金は以下の通りです。

プラン容量月額料金(税抜)
スタンダード500GB44,000円
アドバンスド1TB72,000円
ビジネス4TB130,000円

DirectCloudの最大の強みは、業界トップクラス250種類以上の操作ログ監視機能です。ユーザーのログイン、ファイル操作、管理者の設定変更など、あらゆる操作を詳細に記録・監視できます。内部統制やIT監査への対応が求められる企業にとって、大きなメリットとなります。

機能面では、生成AI連携やストレージ階層化(ホット・ウォーム・コールド)など、先進的な機能を積極的に導入しています。セキュリティ面では、7段階のアクセスレベル設定、二要素認証、デバイス認証、IPアドレス制限など、きめ細やかなアクセス制御が可能です。

インフラ基盤にはAWS東京リージョンを利用しています。AWSのSLA稼働率99.95%の保証とAmazon S3の99.999999999%の耐久性を活かしたサービス提供が行われています。ただし、Fileforceと同様に、AWSは米国企業であるため、CLOUD Actの潜在的な影響範囲に入る可能性があります。

✓ メリット

  • 250種類以上の操作ログで内部統制に強い
  • 生成AI連携で文書活用を高度化
  • ストレージ階層化でコスト最適化
  • 2,900社以上の導入実績

△ 考慮すべき点

  • 料金が比較的高め
  • AWSベースのためCLOUD Actの潜在的影響あり

海外大手(Box・Dropbox)との比較|国産とどちらを選ぶか

法人向けクラウドストレージの検討では、海外大手のBoxとDropboxも必ず候補に挙がります。どちらも機能・実績ともに世界トップクラスですが、国産サービスとは課金体系・料金通貨・データ保管の考え方が根本的に異なります。2026年8月時点の各社公式サイトの情報をもとに整理します。

比較項目BoxDropbox国産3サービス
課金体系ユーザー課金(最低3ユーザー)ユーザー課金容量課金が中心(ユーザー数無制限)
主な法人プランBusiness: $15/ユーザー・月(年払)
Business Plus: $25
Enterprise: $35
Standard: $15/ユーザー・月(年払・チームで3TB〜)
Advanced: $24(15TB〜)
1TBあたり月額23,200円〜72,000円
ストレージ容量Business以上は容量無制限(1ファイル5GB〜の上限あり)チーム単位の容量制(3TB〜/15TB〜)プラン容量制(500GB〜)
強み1,500以上のアプリ統合、Box AI、電子サイン無制限、7段階のアクセス権限同期性能の高さ、大容量ファイル転送(最大100GB)、ランサムウェア検知(Advanced以上)国内データセンター、日本語サポート、円建て料金、商習慣への適合
留意点公式料金はドル建て表記のため為替で実質コストが変動。人数分のライセンス費用同左。組織向け管理機能(SSO・監査ログ)は上位プラングローバル対応・外部アプリ連携は海外大手に比べ限定的

※Box・Dropboxの料金・仕様は2026年8月時点の各社公式サイト(box.com / dropbox.com)による。年払い時の1ユーザーあたり月額。

判断の分かれ目はシンプルで、「全社員・取引先を含めた大人数で使うか」「データを国内に置きたいか」の2点です。ユーザー課金型は30名を超えるあたりから容量課金型とのコスト差が急拡大します(次章で試算)。また、海外サービスはドル建て料金のため、円安局面では実質的な値上がりが発生します。

一方、海外拠点との連携が多い、SalesforceやSlackなど多数の外部アプリと深く連携させたい、といった要件がある場合はBoxやDropboxの豊富なエコシステムが活きます。自社の利用形態に合わせて選択してください。

料金比較|1TBあたりのコストで選ぶ

3サービスの料金を、同条件(1TB・ユーザー数無制限)で比較すると、コスト面での差が明確になります。

サービス名1TB月額料金(税抜)1GBあたり単価
使えるファイル箱27,400円(月払い)/ 23,200円(年契約)約22円 / 約19円
Fileforce60,000円(Unlimited-1)約60円
DirectCloud72,000円(アドバンスド)約70円

使えるファイル箱は、他の2サービスと比較して大幅なコスト削減が可能です。年契約の場合、Fileforceと比較して年間約44.1万円、DirectCloudと比較して年間約58.5万円のコスト差が生まれます。

中小企業がクラウドストレージを選定する際、月額料金は固定費として長期にわたり発生するため、この差額は決して小さくありません。特に複数年の利用を想定する場合、TCO(総所有コスト)の観点からも、使えるファイル箱のコストパフォーマンスの高さは際立っています。

ユーザー課金型(Box・Dropbox)との人数別コスト比較

ユーザー課金型サービスとの比較では、利用人数によってコスト構造が大きく変わります。年払い時の月額で試算すると以下の通りです。

利用人数使えるファイル箱(1TB・年契約)Box Business($15/ユーザー)Dropbox Standard($15/ユーザー)
10名23,200円$150(約22,500円)$150(約22,500円)
30名23,200円$450(約67,500円)$450(約67,500円)
100名23,200円$1,500(約225,000円)$1,500(約225,000円)

※円換算は1ドル150円で計算した参考値。実際の支払額は為替レート・契約条件により変動します。

10名前後まではユーザー課金型と大差ありませんが、30名で約3倍、100名では約10倍の差になります。ユーザー数無制限の容量課金型は、全社員に加えて取引先やパート・アルバイトにもアカウントを配布できるため、利用範囲を広げるほど1人あたりコストが下がっていく構造です。

ただし、料金だけで判断するのは適切ではありません。必要な機能が備わっていることを確認したうえで、コストとのバランスを検討してください。

機能面での選定ポイント

料金だけでなく、業務に必要な機能が備わっているかを確認することが重要です。

バージョン管理機能

ファイルの誤削除や誤編集は、どの企業でも起こりうるトラブルです。バージョン管理機能があれば、過去の状態に簡単に戻すことができます。

使えるファイル箱は最大999世代の履歴保存に対応しています。FileforceとDirectCloudもバージョン管理機能を備えていますが、具体的な世代数は利用プランによって異なるため、導入前にベンダーへの確認をおすすめします。

使えるファイル箱の999世代管理は、頻繁にファイルを更新する業務では大きなメリットとなります。ランサムウェア対策としても、感染時点よりも前のバージョンに戻せることで、業務データの消失リスクを大幅に低減できます。

アクセス権限設定

社内の部署ごと、プロジェクトごとに、誰がどのファイルにアクセスできるかを細かく設定できる機能は、情報漏洩対策として不可欠です。すべてのサービスで、フォルダごと・ファイルごとのアクセス権限設定が可能です。

DirectCloudは7段階のアクセスレベルを提供しており、特に細かいアクセス制御が求められる企業に適しています。外部の取引先とのファイル共有においても、ゲストユーザーとして招待し、特定のフォルダのみにアクセス権限を付与することができます。

操作ログの記録

内部統制やセキュリティ監査の観点から、「誰が」「いつ」「どのファイルに」「何をしたか」という操作ログの記録は重要です。すべてのサービスで詳細な操作ログの記録と閲覧が可能です。

DirectCloudは250種類以上のログを取得可能で、業界トップクラスの充実度です。万が一、情報漏洩や不正アクセスの疑いが生じた場合でも、ログを確認することで原因の特定や影響範囲の把握が可能になります。

電子帳簿保存法対応

2024年1月から電子帳簿保存法が本格施行されており、請求書や領収書などの国税関係書類を電子データで保存する際には、法律で定められた要件を満たす必要があります。

Fileforceは、AI-OCRによる自動読み取りなど、電子帳簿保存法対応機能をオプションで提供しています。使えるファイル箱およびDirectCloudの対応状況については、各ベンダーに直接お問い合わせください。

ワークフロー機能

FileforceはTaskFlowという承認ワークフロー機能を提供しており、ファイル起点で承認・回覧のワークフローを構築できます。紙の稟議書をデジタル化したい企業に適しています。DirectCloudも上長承認機能などのワークフロー機能を備えています。

使えるファイル箱は、複雑なワークフロー機能は持ちませんが、その分シンプルで使いやすい設計となっています。

データセンター環境の比較

データの保管場所は、セキュリティとコンプライアンスに直接関わる重要な要素です。3サービスのデータセンター環境を比較します。

項目使えるファイル箱FileforceDirectCloud
インフラ基盤自社運営データセンターAWSAWS
データ保管場所日本国内(自社DC)日本国内(AWS東京)日本国内(AWS東京)
CLOUD Act影響なし潜在的にあり潜在的にあり
SLA稼働率99.9%公式サイトに記載なし99.95%

使えるファイル箱は、自社運営の国内データセンターでデータを保管しています。パブリッククラウドを利用していないため、外国法の影響を受けず、データの管理主体が完全に日本国内で完結します。これはデータ主権の観点で最も安心できる構成です。

FileforceとDirectCloudは、いずれもAWS東京リージョンを利用しています。データは物理的に日本国内に保管されますが、AWSは米国企業であるため、理論上は米国CLOUD Actの対象となる可能性があります。ただし、これは「理論的なリスク」であり、AWSの高い可用性(99.95%のSLA稼働率)やデータ耐久性は、事業継続性の観点では大きなメリットとなります。

自社が取り扱うデータの機密性レベルや、所属する業界の規制要件に応じて、どのレベルのデータ主権が必要かを判断しましょう。

出典:使えるファイル箱公式サイトDirectCloud公式サイトFileforce公式サイト

サポート体制の選定ポイント

システムトラブルや運用上の疑問が生じた際に、迅速かつ適切なサポートを受けられるかどうかは、サービス選定の重要な要素です。

すべてのサービスで、平日の営業時間内に、電話・メール・チャットでのサポートを提供しています。国産サービスの強みは、日本語での丁寧なサポートが受けられることです。技術的な質問だけでなく、運用方法の相談や業務フローの改善提案といった、より実務的なアドバイスも期待できます。

導入支援サービスの有無も重要なポイントです。既存のファイルサーバーからのデータ移行は、多くの企業にとって大きなハードルとなります。移行支援サービスや設定代行サービスを提供しているベンダーを選べば、IT担当者の負担を大幅に軽減できます。

利用シーン別おすすめサービス

ここまでの比較を踏まえて、利用シーン別のおすすめサービスを紹介します。

ケース1: 従業員50名の中小企業

要件: コストを抑えつつ、基本的なファイル共有と十分なセキュリティを確保したい。ファイルサーバーからの移行を検討中。

推奨サービス: 使えるファイル箱

理由: ユーザー数無制限のため、50名が利用しても月額料金は変わりません。年契約のスタンダードプランなら月額23,200円(税抜)で1TBを利用でき、1人あたり月額386円という計算になります。999世代のバージョン管理でランサムウェア対策も万全です。自社運営データセンターによるデータ主権の確保も、取引先への説明材料として活用できます。

ケース2: 電子帳簿保存法対応が急務の企業

要件: 経理部門で大量の請求書・領収書を電子保管する必要があり、法令対応の機能が充実したサービスを探している。

推奨サービス: Fileforce

理由: AI-OCR機能により、スキャンした書類から自動的に取引先名や金額を読み取り、電子帳簿保存法の要件に適合した形でデータを保存できます。TaskFlowによる承認ワークフローも、経理業務のデジタル化に役立ちます。

ケース3: 内部統制・IT監査対応が必要な企業

要件: 上場準備中で、内部統制の整備が求められている。詳細な操作ログの取得と監査対応が必要。

推奨サービス: DirectCloud

理由: 250種類以上の操作ログ監視により、すべてのユーザー操作を詳細に記録・追跡できます。ログの検索・エクスポート機能も充実しており、監査対応もスムーズです。AWSの高い可用性を活用できるため、事業継続性の観点でも評価されています。

ケース4: 従業員20名のスタートアップ企業

要件: 初期費用を抑えたい。将来的な人員増加を見込んでいる。シンプルで使いやすいサービスがいい。

推奨サービス: 使えるファイル箱

理由: ユーザー数無制限のため、人員が増えても月額料金は変わりません。スタートアップ企業にとって、予算の見通しが立てやすいことは重要です。エクスプローラーから直接操作できるため、新しい操作方法を覚える必要がなく、すぐに業務に活用できます。

ケース5: 海外拠点や多数の外部SaaSと連携したい企業

要件: 海外拠点・海外取引先とのコラボレーションが多い。Salesforce・Slackなど既存SaaSとの連携を最優先したい。

検討候補: Box / Dropbox

理由: 1,500以上のアプリ統合(Box)やグローバルでの利用実績は海外大手の強みです。ただしユーザー課金・ドル建て料金のため、人数規模と為替リスクを織り込んだTCO試算を必ず行ってください。国内データ保管が要件にある場合は、保管リージョンの確認も必要です。

よくある質問(FAQ)

Q. 国産と海外製のクラウドストレージ、結局どちらを選ぶべきですか?

全社員・取引先を含む大人数で使う、データを国内に保管したい、円建てでコストを固定したい場合は国産の容量課金型が有利です。海外拠点との連携や多数の外部SaaS連携が最優先なら、Box・Dropboxが候補になります。30名以上での利用ではコスト差が数倍になるため、まず人数×年数でTCOを試算することをおすすめします。

Q. 法人でも個人向けプランや無料プランを使ってはいけませんか?

推奨できません。個人向け・無料プランには管理者機能・操作ログ・ユーザー一括管理といった組織利用の前提機能がなく、退職者アカウントの放置や情報持ち出しに気づけないリスクがあります。業務データを扱う以上、少人数でも法人向けプランを選んでください。

Q. 導入までにどれくらいの期間がかかりますか?

クラウドストレージ自体の利用開始は最短即日〜数営業日です。実務上の期間を左右するのは既存データの移行と権限設計で、ファイルサーバーからの移行を含む場合は、データ量にもよりますが数週間〜数ヶ月を見込んでください。多くのサービスが無料トライアル(14〜30日)を提供しているため、トライアル期間中に移行手順を検証するのが確実です。

Q. 社内のファイルサーバーからの移行はどう進めればいいですか?

「現状のフォルダ構成・アクセス権の棚卸し → クラウド側の権限設計 → 部門単位での段階移行 → 旧サーバの読み取り専用化・廃止」の順で進めるのが定石です。詳しい比較と移行のポイントはファイルサーバのクラウド化とは?クラウドとオンプレミスの違い・メリット・移行ポイントで解説しています。

まとめ

法人向けクラウドストレージは、それぞれ異なる強みを持っています。

使えるファイル箱は、圧倒的なコストパフォーマンスとシンプルな操作性、そして自社運営の国内データセンターによるデータ主権の確立が強みです。中小企業や、基本的なファイル共有機能を求める企業に最適です。

Fileforceは、多機能性とセキュリティの高さが強みです。DX推進を積極的に進めたい企業や、電子帳簿保存法対応を含むワークフロー機能を求める企業に適しています。

DirectCloudは、250種類以上のログ監視とAWSの高可用性が強みです。内部統制やIT監査への対応が求められる企業、生成AI連携など先進的な機能を求める企業に適しています。

Box・Dropboxは、豊富なアプリ連携とグローバルでの実績が強みです。海外拠点との連携が多い企業に適していますが、ユーザー課金・ドル建て料金のため、人数規模によるコスト増と為替変動を織り込んだ検討が必要です。

どのサービスを選ぶべきかは、自社の要件によって異なります。本記事で紹介した選定ポイントを参考に、「コスト」「機能」「サポート」「データ主権」のバランスを考慮して、最適なサービスを選んでください。

多くのサービスでは無料トライアルや無料相談を提供しています。まずは実際に試してみて、自社の業務フローに合うかどうかを確認することをおすすめします。

各サービスとの詳細比較資料を無料でダウンロードできます

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