2024年1月、電子帳簿保存法の電子取引データ保存が完全義務化されてから2年以上が経ちました。多くの企業が対応を済ませた一方で、87%の経理担当者が「業務負担が増えた」と感じているという調査結果があります。
「対応はしたが、結局ファイルサーバーに手動保存するだけになっている」「税理士とのやり取りは依然としてメール添付のまま」「どのファイルがどこにあるか分からなくなってきた」─そんな声は、中小企業の経理現場で今も根強く残っています。
本記事では、電帳法対応後の経理業務におけるファイル管理・共有の非効率に着目し、クラウドストレージを活用して運用負荷を下げるための具体的な方法を解説します。
この記事のポイント
▶︎ 「法的対応」と「業務効率化」は別の問題 ─ 電帳法を済ませても経理が楽にならない理由はここにある
▶︎ クラウドストレージ単体では電帳法の真実性確保要件を満たせない場合がある ─ 会計ソフトとの組み合わせ、または税理士への確認が必要
▶︎ 税理士との書類共有・ファイル管理・アクセス権限はクラウドストレージで解決できる
目次
「対応済み」でも経理が楽にならない3つの理由
電子帳簿保存法の義務化に際して実施されたある調査では、経理担当者の87%が「制度対応により業務が増えた」と回答しています(リコージャパン調査、2024年)。「法対応でペーパーレス化が進む」という期待とは裏腹に、なぜ業務負担は増え続けるのでしょうか。
理由① ファイル保存は「とりあえず」運用になっている
義務化への対応を急いだ結果、「メールの請求書PDFを所定のフォルダに入れる」という最低限の対応にとどまっている企業が少なくありません。ファイル名のルールも決まっておらず、後から「あの請求書どこだっけ?」と探し回る状況が続いています。専用の会計システムを導入せず、既存のファイルサーバーやNASで対応した企業では、この傾向が特に顕著です。
理由② 税理士・会計事務所とのやり取りが旧来のまま
電子データの保存場所が社内だけで完結している場合、税理士や顧問会計士とのやり取りは依然としてメール添付やUSB渡しのままというケースがあります。「セキュリティが心配」「相手が使えるか分からない」という理由で新しい共有手段の導入が先送りになり、結果としてPPAP(パスワード付きZIP送信)も根絶できていません。
理由③ 1人経理でアクセス管理まで手が回らない
東京商工会議所の調査によると、売上高1千万円以下の事業者では約9割が1人で経理事務を担っています。専任担当者がいない企業では、経理データへのアクセス管理(誰が何のファイルを見られるか)が放置されたままになりがちです。「共有フォルダを全社員が見られる状態」のまま運用されているケースも多く、情報漏洩リスクが常に潜んでいます。
電帳法の要件とクラウドストレージでできること・できないこと
クラウドストレージの活用を検討する前に、電帳法の要件を簡単に整理しておきましょう。電帳法には大きく3つの区分があります。
義務化されているのは「電子取引データ保存」のみです。この要件を満たすには、真実性の確保(タイムスタンプ付与または訂正削除の防止措置)と可視性の確保(日付・金額・取引先による検索)が求められます。
⚠️ クラウドストレージでできること・できないこと
✅ できること:ファイルの整理・検索性の向上 / 税理士との安全なファイル共有 / アクセス権限の管理 / バージョン管理(変更履歴の保持)
⚠️ 単独では難しいこと:電帳法が求める「真実性の確保」(タイムスタンプの自動付与・改ざん防止の法的証明)は、専用の会計システムや電帳法対応サービスとの組み合わせが必要なケースがあります。
自社の取引形態・規模によって要件の適用範囲が異なります。具体的な対応方法は顧問税理士や専門家にご確認ください。
電帳法への法的対応と、経理業務の効率化はそれぞれ別の問題です。クラウドストレージは後者──日々の業務を楽にするための道具として、大きな力を発揮します。
クラウドストレージで改善できる経理業務3つ
① 税理士・会計事務所との書類共有をメール添付から脱却する
クラウドストレージを使えば、共有リンクをメールで送るだけで税理士が必要なファイルを取得できます。相手が使えるかどうかの不安も不要で、リンクにパスワードや有効期限を設定できるため、PPAPよりも安全です。
「誰がいつダウンロードしたか」の履歴も確認できるため、「ファイル受け取りましたか?」という確認作業もなくなります。月次決算や年次決算のたびに発生するファイル送付作業が、大幅に効率化されます。
② フォルダ構造と検索機能で「あのファイルどこ?」をなくす
クラウドストレージのフォルダ構造を会計年度・取引先・書類種別で整理することで、必要なファイルをすぐに見つけられる環境が整います。「2025年度/10月/請求書」というシンプルな構造でも、社内ルールとして統一されていれば検索時間を大幅に削減できます。
また、ファイル名に「日付+取引先名+書類種別」を含める社内ルールを作ることで、ファイル名での検索にも対応できます。これは電帳法の「可視性の確保」(検索要件)を補完する運用としても有効です。
③ アクセス権限の設定で経理データを守る
クラウドストレージではフォルダごとにアクセス権限を設定できます。「経理フォルダは経理担当者と役員のみ閲覧可」「取引先への見積フォルダは営業部門に読み取り専用で共有」といった細かい権限管理が、管理画面から簡単に行えます。
社内ファイルサーバーでは権限管理がIT担当者頼みになりがちですが、クラウドストレージなら経理担当者自身が管理できるため、専任のIT担当者がいない中小企業でも実現可能です。
クラウドストレージの導入方法や活用術を知りたい方はこちら>>
「使えるファイル箱」の経理業務での活用例
使えるねっとが提供するクラウドストレージ「使えるファイル箱」は、中小企業のファイル管理・共有に特化したサービスです。以下のような経理業務での活用が想定されます。
1税理士専用フォルダで月次資料を一括共有
月次の経理資料(仕訳帳、領収書PDF、請求書一覧など)をクラウドストレージ上の「税理士共有フォルダ」にまとめて格納し、共有リンクを送付するだけで完了します。
共有リンクには有効期限とパスワードを設定でき、ダウンロード回数の上限も指定可能。「ダウンロード履歴」でアクセス状況も確認できます。
税理士はアカウント不要でリンクからアクセスできるため、先方のシステム環境を問いません。
2世代管理で誤上書きを防ぐ
使えるファイル箱には、ファイルの上書き前データを最大999世代まで保持するバージョン管理機能があります。
決算書やExcel集計表を誤って上書きした場合でも、任意のバージョンに戻すことが可能です。「前の月の数値がなくなった」というトラブルを防ぐ安全網として機能します。
また、変更の記録が残るため、誰がいつファイルを更新したかの追跡にも役立ちます。
3スキャナ書類を自動でクラウドに取り込む(オプション)
メールゲートウェイオプションを利用すると、複合機でスキャンした書類を自動でファイル箱の指定フォルダに保存できます。
紙で受け取った領収書や請求書をスキャン後、手動でアップロードする手間がなくなり、スキャン保存の運用フローを簡素化できます。
まとめ
電帳法への対応は「完了」しても、経理業務の非効率は自動的には解消されません。ファイルの散在、税理士との非効率なやり取り、不十分なアクセス管理──これらは「クラウドストレージの活用」という比較的シンプルな手段で改善できる課題です。
ただし、電帳法が求める真実性の確保(タイムスタンプ等)については、クラウドストレージ単体での対応には限界がある場合があります。会計システムや専用ツールとの組み合わせ、または顧問税理士への相談をあわせてご検討ください。
使えるファイル箱は、ユーザー数無制限・国内データセンター・AES256暗号化という特徴を持ち、中小企業の経理業務を支えるファイル共有インフラとして活用いただけます。30日間の無料トライアルもご用意していますので、まずは実際の使い勝手を試してみてください。
FAQ
クラウドストレージだけで電帳法に対応できますか?
電帳法の「電子取引データ保存」義務に対応するには、真実性の確保(タイムスタンプ付与または訂正削除の防止措置)と可視性の確保(検索機能)が求められます。クラウドストレージはファイルの保管・整理・共有に役立ちますが、タイムスタンプの自動付与など一部の要件については専用の会計システムや電帳法対応サービスが必要なケースがあります。自社の取引形態に応じて、顧問税理士にご確認いただくことをお勧めします。
社外の税理士にファイルを共有する際、セキュリティは大丈夫ですか?
使えるファイル箱では、共有リンクにパスワードと有効期限を設定でき、ダウンロード回数の上限も指定できます。また、AES256ビット暗号化と2段階認証により、不正アクセスから保護されています。国内のISO27001認証取得データセンターで管理されているため、機密性の高い経理データの共有にもご利用いただけます。
既存の会計ソフトと一緒に使えますか?
はい。使えるファイル箱は特定の会計ソフトに依存しない汎用のクラウドストレージです。freee・弥生会計・マネーフォワードなどお使いの会計ソフトで処理した後のファイル(CSV・PDF等)を保管・共有する用途で組み合わせてご利用いただけます。
お電話でのお問い合わせはこちら:03-4590-8198
(営業時間:10:00-17:00)
















