データ保護・BCP

クラウドバックアップのデメリット6つと対処法|導入に向いている企業・向いていない企業を解説

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May 08 2026

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クラウドバックアップの導入を検討しているが、「本当に自社に合っているのか」「デメリットはないのか」と慎重になっている担当者は少なくありません。費用・速度・セキュリティ・運用体制──実際にはいくつかの注意点があります。

本記事では、クラウドバックアップの6つのデメリットとその対処法、そして自社が導入に向いているかどうかの判断基準を解説します。メリットとリスクの両面を正しく理解した上で、最適な意思決定をするための参考にしてください。

この記事のポイント

▶︎ デメリットの大半はサービス選びの段階で解消できる

▶︎ バックアップ取得済みでも75%が復元不可 ─ 保管場所の設計が復旧の成否を左右する

▶︎ IT担当者不在・テレワーク・データ増加中の中小企業にはクラウドバックアップのメリットが大きい

クラウドバックアップの6つのデメリットと対処法

クラウドバックアップには大きなメリットがある一方、導入前に把握しておくべき注意点があります。それぞれの対処法と合わせて解説します。

1ランニングコストが継続的にかかる

クラウドバックアップは初期費用が低い反面、月額・年額費用が継続的に発生します。長期的に見ると、専任担当者の人件費を除いたコストがオンプレミスを上回るケースもあります。

💡 対処法

3〜5年のトータルコスト(初期費用+月額費用+人件費)でオンプレミスと比較する。ユーザー数無制限のサービスなら従業員が増えても追加コストが不要で、スケール時の費用増を抑えられます。

2セキュリティ管理の一部が事業者任せになる

バックアップデータを外部事業者のサーバに預けるため、セキュリティ管理の一部がサービス提供者に委ねられます。事業者側のインシデントや設定ミスが自社データに影響するリスクがゼロではありません。

💡 対処法

ISO27001などのセキュリティ認証を取得しているサービスを選ぶ。AES-256暗号化・転送時暗号化・多要素認証・国内データセンターの有無を確認し、利用規約でデータの所在地と責任範囲を把握しておくことが重要です。

3回線状況によってバックアップ速度が遅くなる

インターネット経由でデータを転送するため、社内ネットワークの帯域や回線品質に左右されます。大容量データのバックアップに時間がかかり、業務時間中に実行すると社内ネットワークが重くなることがあります。

💡 対処法

バックアップスケジュールを業務時間外(深夜・早朝)に設定する。重複排除・圧縮機能のあるサービスを選ぶと転送データ量を削減できます。初回バックアップは大容量になるため、別途計画が必要です。バックアップが遅い・進まない場合の対処法も参考にしてください。

4帯域を圧迫する可能性がある

大量のバックアップデータをリモートのサーバに転送する際、社内ネットワークの帯域(時間単位で送信できるデータ転送量)を大きく消費します。バックアップ実行中に他の業務アプリケーションの動作が重くなることがあります。

💡 対処法

帯域制限(スロットリング)機能があるサービスを選ぶと、業務時間中の転送速度を制限して他の業務への影響を最小化できます。差分・増分バックアップを活用し、毎回の転送データ量を抑えることも効果的です。

5端末やハードウェアへの負荷がかかる

バックアップ処理はCPUやメモリを消費するため、バックアップ実行中に端末の動作が遅くなることがあります。スペックが低い古い端末では、業務への支障が出るケースもあります。

💡 対処法

バックアップ実行タイミングを業務時間外に設定する。またCPU使用率の上限を設定できるサービスであれば、バックアップ中も端末への影響を抑えられます。

6インターネット環境がないと使えない

クラウドバックアップはインターネット経由でデータを保存・復元するため、通信環境に依存します。大規模災害で広域のネットワーク障害が発生した場合、クラウドへのアクセス自体が不可能になることがあります。

💡 対処法

クラウドバックアップのみに依存せず、ローカルへのバックアップと組み合わせる「3-2-1ルール」の実践が推奨されます。クラウド(遠隔)+ローカル(近隣)の二重化により、どちらかが使えなくなっても復元できる体制を整えましょう。3-2-1ルールの詳細はこちら

向いている企業・向いていない企業

 

クラウドバックアップに向いている企業

以下に当てはまる企業ほど、クラウドバックアップの費用対効果が高まります。

企業タイプ理由
IT専任担当者がいない中小企業自動バックアップで運用負担がゼロ。手動作業のミスや忘れが防げる
テレワーク・多拠点の企業場所を問わずデータを一元管理・復旧できる
データ量が増加傾向にある企業容量追加が柔軟でハードウェア買い替えが不要
BCPを整備したい企業オフサイト保管により、拠点被災時でもデータを守れる
ランサムウェアを警戒している企業社内ネットワークから切り離されたバックアップで、感染時の被害を最小化できる

クラウドバックアップの優先度が下がる企業

以下のすべてに当てはまる場合、クラウドバックアップの優先度は相対的に低くなります。

・完全オフライン環境で運用しており、インターネット接続が困難(工場の生産ラインなど)

・オンプレミスのバックアップ環境が既に十分に整備されており、データ量も増加しない見込み

・月額コストを払い続けることが経営上困難な段階のスタートアップ

ただし注意が必要です。「オンプレミスが充実しているから不要」と考える企業でも、バックアップデータが本番環境と同一拠点・同一ネットワーク上にある場合、ランサムウェアや火災・水害で同時に失うリスクがあります。オフサイト(遠隔地)保管の観点では、クラウドバックアップの併用が有効です。

デメリットを解消するサービス選びのポイント

上記のデメリットのほとんどは、サービス選びの段階で解消できます。以下のポイントを確認してサービスを比較してください。

確認ポイント解消されるデメリット
ユーザー数無制限の料金設定スケール時のランニングコスト増
AES-256暗号化・ISO27001認証・国内DCセキュリティ任せへの不安
帯域制限・スロットリング機能帯域圧迫・速度・ハードウェア負荷
AIランサムウェア検知機能バックアップごと暗号化されるリスク
国内24時間サポート体制障害発生時の運用体制不安

具体的なサービスの比較は法人向けクラウドバックアップ比較記事をご覧ください。

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FAQ

 

クラウドバックアップはローカルバックアップより劣るのですか?

劣っているわけではなく、目的と特性が異なります。ローカルバックアップは復旧速度が速くインターネット不要ですが、拠点被災時に共に失うリスクがあります。クラウドバックアップはオフサイト保管によりランサムウェア・災害耐性に優れますが、回線速度に依存します。それぞれの強みを活かした「3-2-1ルール」での併用が理想的です。

バックアップがあればランサムウェアに感染しても安全ですか?

必ずしも安全とは言えません。警察庁の調査(令和6年)では、バックアップを取得していた組織の75%がデータを復元できておらず、主な原因は「バックアップも一緒に暗号化された」ことです。バックアップデータを本番環境と切り離されたネットワーク・オフライン環境に保管すること、およびAIによるランサムウェア検知機能を持つサービスを選ぶことが重要です。

クラウドバックアップのコストはどのくらいが目安ですか?

法人向けサービスでは、ユーザー数無制限・1TB・月額2万円台〜というプランが中小企業の標準的な選択肢です。ユーザー数に応じた従量課金のサービスでは、社員が増えるにつれてコストが上昇します。導入前に3〜5年の総コストでオンプレミスと比較することをお勧めします。

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